スペインの開発パートナーが2月に発売を予定
▲Firefox OSを搭載した開発者向けのプレビュー・モデル「Keon」
米国Mozillaは1月22日、オープンWeb標準ベースのモバイルOS「Firefox OS」を搭載したスマートフォンの開発者向けプレビュー・モデルを発表した。「Keon」と「Peak」の2機種がある。
この開発者向けのプレビュー・モデルは、スペインの通信キャリアTelefonicaと、オープンソース・モバイル・テレフォニー・ソリューショ
ンを手がけるスペインのGeeksphoneとの協力によって開発されており、2月にGeeksphoneから発売される予定だ。
開発者向けプレビュー・モデルの価格は発表されておらず、MozillaはFirefox
OS搭載スマートフォンの最終製品については、同OSに関するFAQの中で、「パートナー数社と協力し、一般消費者市場での発売に向けて取り組んでいる。
後日、発表を行う」と述べている。
Firefox
OSは、米国Googleの「Android」に代わる低コストの選択肢として宣伝されている。Telefonicaは昨年、Firefox
OSは100ドル程度の価格帯のスマートフォンではAndroidよりもすぐれたエクスペリエンスを提供すると述べている。
Mozillaが今回明らかにした開発者向けプレビュー・モデルの仕様からも、最終製品が低価格で発売されることが予想される。Keonは
1GHzプロセッサ、3.5インチ・タッチスクリーン、3メガピクセル・カメラを搭載。ハイスペックのPeakはデュアルコア1.2GHzプロセッサ、
4.3インチ・スクリーン、背面8メガピクセル、前面2メガピクセルのカメラを搭載する。
両モデルともストレージ容量は4GBで、microSDカードで容量を拡張できる。インターネット接続にはHSPAまたは802.11nを利用し、GPSと各種センサーを備える。
Firefox OSは、Web技術に大きく依存する多数の新しいスマートフォンOSの1つ。こうしたOSとしてはFirefox
OSのほか、カナダのResearch In Motion(RIM)のBlackBerry
10、英国Canonicalのスマートフォン向けUbuntu、フィンランドの新興企業JollaのSailfish、韓国Samsung
Electronicsと米国Intelが後押ししているTizenなどがある。
Firefox
OSは、「ユーザーがスマートフォンでアクセス可能なすべてのソフトウェアをWebアプリ化する」というアイデアに基づいている。Firefox
OS上でHTML5アプリは、スマートフォンのバイブレーション機能の利用、通話発信、テキスト・メッセージ送信ができると、Mozillaは声明で述べ
ている。
Firefox
OS搭載スマートフォンの開発者向けプレビュー・モデルは、同OS向けのHTML5アプリが簡単に開発できることを開発者に示すことを目的としている。既
存のWebサイトに少しの変更を加えることで、Firefox OS対応アプリを開発できると、Mozillaは述べている。
Mozillaは、Firefox OSによるWeb技術のさらなる普及拡大を目指しており、開発者がその実現の鍵を握っている。Firefox
OSがすでにTelefonicaや中国ZTEのような企業の支持を得ていることは、Mozillaにとって明るい材料だと、米国Strategy
Analyticsのエグゼクティブ・ディレクター、ニール・モーストン(Neil Mawston)氏は話している。
(Mikael Ricknas/IDG News Serviceロンドン支局)